佐々木 「牛の数は…11万頭!」
一斉に「ええ〜〜そんなに〜!!」
早速お邪魔したのは 別海町中春別で酪農を始めて 50年の竹田牧場。
森崎 「いっぱいいますね〜」
竹田潤さん 「ミルクを搾れる牛は65頭!」
竹田さん 「子牛を合わせると160頭!」
森崎 「160頭!」
優しい表情をした竹田牧場の乳牛たち。 あぐりっこのコウタ君・リュウ君・ルルちゃんは 初めて乳牛と対面します。 ちょっと近づいてみると−
ベロン! いきなり牛さんに舐められるルルちゃん。
ルルちゃん 「スッゴイでっかいけど、 寄って来てくれたしカワイイ! 」
サクラちゃんは去年の夏に 稚内でファームステイを体験。 牛が大好きなんです!
藤尾 「さくらは牛が大好きみたいで 人口より牛のほうが多いって話したら 『最高の町ですね!』って言ってた」 さくらちゃん「すき〜」
厳しい国家試験に合格しなければ なれない獣医師。 けがや病気になった 牛の手術も頻繁に行っている 似内厚之先生に話しを伺います。
まずは似内先生が乗ってきた車ですが…
森崎 「薬…ですか??車の中にあるのは?」
似内先生 「ハイそうなんです」
似内先生の車の扉を開いた途端…
あぐりっこ「うわ〜スゴイ」 森崎「全部、薬じゃん!」
似内先生 「農家さんまで来て治療しますので 色んな病気に対応できなくてはいけません。 カバンに入れるだけでは足りません!」
似内先生 「産科・婦人科・内科・外科。 全て対応できるようになっています」
藤尾 「車が総合病院なんですね!」
牛さんの医療器具って一体どんなの?
藤尾 「コレって医療ドラマでみる アレ(鉗子“かんし”)じゃない?」
森崎 「牛舎でできるオペ(手術)もあるんだ」
似内先生「あります!あります」
みんなが苦手な注射ですが 牛さんサイズだと−
ルルちゃん 「大きい〜〜! これブスッ(と刺すのを想像して) ヒヤ〜〜!」
似内先生 「体が大きいぶん注射器や針が大きい」 森崎 「流れている血液の量も多いですもんね」
森崎 「これは点滴ですか?」
似内先生 「カルシウムです。お産してすぐの牛とか 急激に牛乳を作らなければならないので カルシウム不足になるんです。 そういう時、メインに使いますね」
森崎 「こちらの中春別地区には 何頭の牛がいる?」
似内先生 「1万8000頭います」
森崎「獣医さんは?」
似内「12名います」
森崎 「12人で牛の健康と安全を見守っている…」
1人で約1000頭以上を担当されてるんですね。
続いては似内先生から牛の体について 教えてもらいます。
似内先生 「牛の心臓の音を聞いてみますよ」
藤尾 「心臓ってドコにあるんだろう」
ルルちゃん 「前足と前足のあいだ?」
りゅう君 「前足と後ろ足のあいだ!」
森崎 「それ随分広いだろ〜!」
似内先生 「正解は左前足の脇の奥にあります。 人間とあまり変わらないですね」
では実際に牛の心音を聞いてみましょう。
聴診器を心臓に当てて…どんな音かな?
コウタ君 「バクンバクンバクン!」
森崎 「バクンバクンバクン?」
藤尾 「みんな違うなあ〜」
さあココからは牛の体の秘密を知ろう!
【牛は胃が4つ】
似内先生 「左側は全部 第一胃なんです。 この中で食べたエサを発酵させていくんです。 第1と第2はほとんどくっついています。 3番目と4番目は反対側にありますね」
【牛は1日に50〜60kgのエサを食べる】
似内先生 「人で言うとトップアスリートみたいに 管理されたメニューでエサを与えられている。 高栄養の食事をしています」
森崎 「牛さんには良いモノを食べて 良いお乳を出して欲しいよね」
佐々木 「いっぱい食べますからね! ウンチをいっぱい出しますよ」
似内先生 「20〜40kgぐらい出しています」
森崎 「リュウ、体重何キロ?」
リュウ君 「45キロ…」
森崎 「牛は藤尾君ぐらい食べて(60kg)、 リュウぐらい出す(40kg)!」
佐々木 「そしてミルクを20〜30kg出します」
牛の体の秘密を学んだ後は− かわいい子牛との出会いが…
森崎 「あららら〜カワイイねえ〜」
佐々木 「あぐりっこのみんなどう?」
リュウ君 「カワイイ〜〜」
初めて牛と触れ合うあぐりっこ。 指をペロペロ舐められて…
ルルちゃん「ザラザラしてる…」
藤尾 「上の歯が無いのわかる?」
ルルちゃん 「わかる!下の歯だけある!カワイイ」
初めての授乳体験も!
チュウチュウチュウ…
あっと言う間に飲み干しちゃいました。
続いては子牛の誕生には欠かせない 【授精師】について学びましょう。
お話を伺うのは田渕吉明さん 21年ものキャリアがあるベテラン授精師。 安全安心なミルクが食卓に上がるための お仕事とは一体どんなコトをするのでしょうか?
田渕さん 「別にあるオスの種を お母さん牛のお腹に入れる事をやってます」
森崎 「子牛が生まれてくる お手伝いもしている方なんですよ」
田渕さん 「乳成分などを気にして種付けをしてます」
将来生まれてくる子牛が、 質の良いミルクをたくさん出す牛になるよう 「乳牛改良」という取り組みが行われています。 20年前より1頭あたりの乳量が およそ1000kgも増え、 品質もアップしているんです。
森崎 「人間と牛がしっかりと タッグを組むことが重要なんですね」
じゃ〜ん もんすけです! 品質の良いミルクを出す子が生まれるように 交配の相談に乗ってくれる会社もあるんだって!
ジェネティクス北海道 人見智亮さん 「交配相談に関しては 牛群自体のレベルを上げるのが目的です。 1頭1頭チェックし、その牧場の特徴を見て 酪農家さんと改良の方向性を決めて、 牛群自体のレベルを上げるプログラムを 行っていきます」
酪農家を支える仕事は、 他にもいろいろあります。 例えば牛のツメを切るのが仕事の 削蹄師(さくていし)。 ツメにバイ菌が入らないように手入れをします。 そして酪農家が搾ったミルクを工場に運ぶ 集乳ローリーの運転手さん。 このお仕事のおかげでお店に牛乳が並びます。
このようにたくさんの人達が 酪農家や牛を支えていて、 私達が飲む牛乳の安全安心を 守ってくれているんです。
JA中春別 女性部・畠山友子さんに 驚きの牛乳料理を作っていただきました。 ご用意いただいたのは「豚汁」ですが…
森崎 「豚汁おいしそう〜」
畠山さん 「まだ完成ではないんです。 ここに牛乳をたっぷり加えていきます!」
一斉に「ええ〜〜」
さてどんなお味になるのかな?
※詳しい内容はレシピコーナーへ!
さてもう一品あるということですが…
森崎「おっとコチラは何ですか?」
藤尾「鉄板がありますね」
JA中春別の山田幸夫さんには、 JA中春別オリジナルの絶品料理を 紹介してもらいましょう。
山田さん 「低脂肪牛乳で餃子を作っています! 牛乳を皮に練りこんで作っていますよ」
森崎 「へえ〜」
一気に鉄板で蒸し焼きにしていきます。
山田さん 「乳を“ミル”と読んで 《乳(ミル)ほた餃子》といいます」
森崎 「もう名産なんですねえ〜」
では別海町自慢のミルク料理 いよいよ試食! まずは一同ビックリの ミルク豚汁ですが…
さくらちゃん 「優しい味になっている!」
コウタ君 「うわ〜(満面の笑み)」
森崎 「いいね、いいねえ」
《乳(ミル)ほた餃子》のお味は?
サクラちゃん 「野菜がいっぱい入っているから 体にいいと思う!」
ルルちゃん 「パリパリともっちもち」
とろーりチーズで切れない! ルルちゃん「う〜〜〜ん!」
森崎 「このチーズも別海の牛乳なんですね!」
森崎 「牛乳その物もそうだし 牛乳のアレンジした料理も どんどんおいしくなってきて どんどん楽しくなってきている。 それは牛の健康をしっかり見守ってくれたり 健康な子牛が生まれてくるように 働いている人がいるから… もちろん酪農家さんは毎日、 健康な牛の安心安全な牛乳を搾っている。 そういう人達がいて我々は 安心な牛乳がいただけているんだね」 最後は牛乳でカンパ〜イ!
おいしい牛乳をありがとう! 「乳ほた餃子」購入先は− ■JA中春別ホームページから http://ja-nks.jp/gyouza/index.html ■「Aコープ中春別店」「道の駅おだいとう」
たい焼きを口いっぱいに放り込む ソウイチロウ君「おいしい!」
ヒイナちゃん「あま〜い!(ニッコリ)」 シオンちゃん「おいひい!」
みんななぜか笑顔になってしまいます!
森崎 「ユウマ、羊かんって渋いねえ」
ユウカ君 「羊かん大好きで…(ニッコリ)」
佐々木 「だけど…甘いだけじゃないんです。 色んなパワーが秘められた“あんこ” あんこの材料になっているもの 知っているかな?」
あぐりっこ 「小豆!」
佐々木 「そう!我々が今日やってきたのは 十勝エリア。十勝と言えば…?」
河野 「十勝と言えば小豆!ボク出身の関西でも 《十勝産の小豆を使用したあんこです》は ブランドですから!」
森崎 「もったいないこと?」
佐々木 「今日はその“もったいない”が何か? そこには画期的な取り組みが あるんです!!」 ロケ先 甘味レストラン 豆地蔵(まめじぞう) 池田町字利別東町15-7 電話0155-72-5577
“もったいない”から生まれた 画期的な取り組みとは? その答えを探るべくあぐり一行が訪れたのは 地元の小豆にこだわる食品メーカー【十勝製餡】。 まずは“あんこ”はどのように作るのか、 佐藤工場長に教えていただきましょう。
詳しい“あんこ作り”はレシピコーナーへ!
佐藤工場長 「まずは小豆に適量の水を入れ火をかけます」
森崎 「水に浸さないんですね」
こうして沸騰したら中火にしておよそ40分。
すると「もうあんこみたいな色だ〜」
森崎「すでに美味しそう」 河野「膨らんでる」
匂いをかいでみると−
ヒイナちゃん 「あっあんこ! あんこのニオイがする(ニコッ)」
ここで煮汁を捨てます。
そして小豆の渋みを取るため 水をかえて再び沸騰。 中火で1時間ほど煮て、 軟らかくなったところで煮汁を再び捨てます。
森崎 「二回目の煮汁です。捨てます」
砂糖を加えて強火で砂糖を溶かします。 沸騰してとろみが出てきたら、さらに30分。 焦げ付かないようにまぜながら 水分をとばしていくと…あんこ完成!
森崎 「いやあ〜時間かかるもんだね〜」
河野 「工場では1日どれぐらい作るのですか?」
佐藤工場長 「7トンぐらい!専用の鍋で作ります」
続いては1日7トンもの あんこを作る工場を見学。 あんこ作りの工程の“もったいない”とは 一体何なのか?
チリ・ホコリを丁寧にとり 入念に手洗いをして、いざ工場へ−
森崎 「うわ〜スゴイ!いっぱい鍋あるよ〜 でっかいなあ〜」
モクモクと湯気を上げる釜。 まさに小豆を煮ている所です。
河野 「あの〜今回のキーワード “もったいない”って何なんですか?」
佐藤工場長 「それはこちらから出る“煮汁”です」
ちょうど茹で上がった小豆。 釜を傾けると大量の煮汁が流れてきました。
河野 「スゴイ量ですよ〜」
森崎 「うわ〜すごい。滝だよ滝」
大量の煮汁は専用のバケツに入れて 捨てられています。
森崎 「なんだか色が濃いですね? この煮汁に栄養がある…と」
佐藤工場長 「工場の女性スタッフはこの煮汁を 家に持ち帰って飲んでいるんですよ」
森崎 「それを今まで捨てていた… それは“もったいな!”」
じゃーん、もんすけです。 食物繊維たっぷりの小豆。 その煮汁には一体どんなパワーが あるのでしょうか? 十勝で食品の機能性を研究する プロジェクトの代表、 帯広畜産大学の伊藤教授に お聞きしました。
伊藤繁特任教授 「帯広畜産大学では十勝の小豆の機能性に 着目してきました。 中でもこれまで大量に捨てられていた 小豆の煮汁にすごい量のポリフェノールが 含まれていることに注目して その解析を進めてきました。 動物実験などによって煮汁を活用した際の 機能性・効果などの実証分析を進めました。 体の中の中性脂肪は多すぎると 心臓や血管に悪さをします。 小豆ポリフェノールは その中性脂肪の消化を抑制する 効果があるんです。 そして体外に排泄する量を増やしてくれます。 それから体内に蓄積する量を控えめにします。 十勝の素晴らしい食材を有効活用するために 帯広畜産大学ではこれからも研究を続けます」
小豆の煮汁ってスゴイんだねえ〜 捨てちゃうなんてもったいない!!
栄養がたくさん含まれた煮汁を 何にするのか?
訪れたのは十勝芽室町の コスモ食品 北海道工場。 こちらは未利用資源の 有効活用の開発に力をいれているのです。
森崎 「小豆が“あんこ”になる時に “煮汁”というモノが出ることを学びました。 そしてこの煮汁が栄養分を秘めていて これを捨てるのが“もったいない”!」
佐々木 「それをこちらでは製品にしているんです」
コスモ食品 北海道工場 柴山進一さん 「煮汁を特殊な加工をすることで 粉末にしました。 これが《あずきの素》という製品です」
煮汁が粉に??早速製品をみてみると−
森崎 「おおっ。すっごい細かい粒子ですね。 小豆パワーの栄養を蓄えているんですね」
佐々木 「この《あずきの素》はオール十勝で 取り組んでできたモノなんです」
佐々木 「オール十勝とは何なのか? それは《産》《学》《官》。 それぞれに役割があり協力し合ってできてます。
《産》は産業界、こちらのコスモ食品さんです。 《学》が学術機関、大学や研究機関で どんな栄養があるか?など研究します。 《官》は官公庁でバックアップしてくれます。 この3つの力が合わさって《あずきの素》が できているんです!」
森崎 「みんなが1つになって 新しいものを誕生させている」
コスモ食品 北海道工場 柴山進一さん 「開発までに5年ぐらいかかりました。 《学》《官》の皆さんと試行錯誤しながら 製品が実現しました」
河野「ケンカとかしなかったんですか?」
柴山さん 「あっ…ありました…! 色々と意見を出し合って 1番良い意見を集結したのが、 この《あずきの素》だと思います」
《あずきの素》を水に溶かしてみました。
あっと言う間に水に溶け、 ほんの少しで水がワイン色に 変化しました。ということで− 河野君にワイングラスを持ってもらうと…
森崎 「なんだなんだ!仕事帰りの一杯みたいな!」
しかし味は【ただの水】。
佐々木 「味はしないけどポリフェノールたっぷり!」
河野 「ボクね…小豆から煮汁がでるのは判ります。 けどこの煮汁から粉末ができるのって よく判らないんですけど…」
柴山さん 「わが社は液体から粉末を作るのが 得意なんです。 スプレードライヤーという もの凄く大きな機械で粉末を作りますが ちょっと見れないので 実験機でどうやって粉ができるのかを 見学していってください!」
森崎 「へえ〜〜(納得)」
河野 「絶対わかっていない じゃないですか〜!」
道立 十勝圏地域食品加工技術センター 佐々木 香子研究員 「小豆そのものには“でんぷん”や “タンパク質”が多く含まれています。 だけどその煮汁をそのまま粉末化すると こんな白茶けた色になってしまいます」
河野 「(小豆の色と)全然違う」
佐々木研究員 「このままだと色がつかない!」
河野 「普通の煮汁にちょっと何か処理すると こんなキレイな色が出てくるって事ですか?」
佐々木研究員「そうですね!」
森崎「何をするんですか?」
柴山さん 「それはちょっと…特許技術になってまして 産・学・官共同で取った特許になってます」
シオンちゃん 「普通に煮汁を捨てるのは“もったいない”事だし こうやって粉にすることでエコにもなるし なんかこうやって諦めないでやったら イイものになったからスゴイ!と思いました」
これまで“産・学・官”オール十勝で 開発した製品は40種類。 5年前に誕生した”ポテあじ”という食品素材を 味見してみると−
あぐりっこ「ポテトチップスみたい」
柴山さん 「原料は十勝のジャガイモです。 北海道はたくさん“でんぷん”を作っていて 先ほどの小豆と一緒ででんぷんの汁は 捨ててしまいます。それも栄養価が高くて おいしい成分が入ってます。 その美味しい成分を取り出して粉末にしたのが この“ポテトペプチド”です」
河野 「捨ててたものから製品ができるって素晴らしい」
柴山さん 「北海道には勿体無いものがいっぱいあります。 それをたくさん見つけて 色々なものに役立てたいと思っています」
森崎 「1つの団体だけでは難しいよね」
さあココからは佐々木研究員が取り組んできた 製品を食べていきましょう!
《あずきの素》が入ったきれいな色のおこわ、 《ポテあじ》が入ったチキンナゲットなどなど…
佐々木研究員 「こちらのパンは生地に 《あずきの素》が練りこんであって さらに十勝産の小豆のあんこを 織りまぜたパンです」
河野 「ほんのり小豆色していますね」
佐々木研究員 「こちらは豆腐が日持ちがしないので 日持ちのする製品を作りたいという相談を受けて 豆腐のスモーク製品を作りました。 冷蔵で二ヶ月大丈夫ですよ」 十勝では食と農を軸とした産業振興策 「フードバレーとかち」を推進しています。 そして去年国から、 食の生産性と付加価値向上による 北海道経済の活性化を目的とした 「北海道フード・コンプレックス 国際戦略総合特区」の指定を受けました。 食糧基地・十勝がますます注目をされています。
さて味わってみると− ヒイナちゃん 「豆腐くんを食べたんですけど、 本当の豆腐は長持ちしないのに こういう加工をして長持ちできるってスゴイ!」
森崎 「そうだよね〜工夫だよねえ」 ■とうふくん(200g×1) 840円(税込) ■とうふくんジャーキー(100g×1) 630円(税込)
森崎 「産・学・官。 周りの人と提携して地域ぐるみで 得意分野が合わさって、 新しいものができている! 北海道の食が楽しくなる 新時代の幕開けのキーワードです、せえのー」
あぐりっこ「さん・がく・か〜ん」