味噌、醤油、みりん、日本酒、お酢…。 古くから日本で使われてきた調味料。 それらをつくるのに欠かせない材料といえば…、 “こうじ”! 2011年に巻き起こった「塩こうじ」ブームで、 若い世代にも注目された“こうじ”ですが、 今の時代、味噌や醤油は 「作る」よりも「買う」のが当たり前。 その購入量も、30年前と比べ、 半分以下にまで減っているんです。
そんな中、昔ながらの製法を受け継ぎ、 再び「こうじ」の魅力を発信する、 パワフルな集団がいるんです。
今週のあぐり王国ネクストは、 「こうじ」文化衰退の危機に立ち上がった! 農業女性グループの「手づくりこうじ」に注目です。
憧れ 「今日は札幌から車で2時間ほどの 日高町にやってきました」
森崎 「間もなく聞こえてきそうな 春の息吹を感じますね」
憧れ 「後ろは田んぼなんですよね」
憧れ 「今日はお米と密接な関係の ある食材に注目します」
森崎「お米と密接なもの?」
ではあぐりっこ〜〜♪
今回のあぐりっこは… 体を動かすことが大好きな 小学5年生の桑山心(ココロ)ちゃんと、 いろいろな食べ物を知って、食べてみたい! 4年生、中村日向(ヒナタ)くんです。
憧れ 「今日注目する食材はこれです!じゃん」
ココロ 「こうじ?(工事のイントネーション)」
憧れ「人の名前じゃないです」
森崎「“こうじ”って聞いたことない?」
ヒナタ「ない!」
憧れ「どんなものだと思う?」
ヒナタ「茶色系??」
ということで早速、 日高町で「こうじ」づくりを行なっている、 あるグループの活動場所へ−
憧れ「今日お世話になる田中さんです」
日高町の里平(りびら)地区で活動する、 「里平 食楽(しょくらく)カモミールの会」 代表の田中静子さん。 夏場は、お米やピーマンを生産する 農家の奥さんです!
森崎 「最近ですね。そもそもどんなきっかけ?」
田中さん 「ここから23Km離れた所に、ご夫婦でやってる “高橋こうじ店”があったんですけど 高齢になったので辞めようかなって話を 何年か前に聞いたんです。 私もそこから“こうじ”を買って 漬け物とかつけていたんですけど…」
森崎 「もともとお客さんだったんですね」
田中さん「はい!」
憧れ 「こちらでは米の“こうじ”を作っている?」
田中さん 「白米の“こうじ”です」
森崎 「先ほど田んぼを見せて頂いたんですが あの田んぼですか?」
田中さん 「そうです!“生こうじ”と言います。 乾燥させないで出来たてを すぐに使えるのが“生こうじ”です」
そもそも「こうじ」は、 「生こうじ」と「乾燥こうじ」の2種類に分かれ、 スーパーなどでは、保存が利く「乾燥こうじ」が 多く出回っています。
早速、カモミールの会の「生こうじ」づくりを 見せていただくことに−
憧れ「すごーい。美味しそう」
田中さん 「これが、ななつぼしです」
森崎「お仲間ですか?」
田中さん 「カモミールの会のメンバーです」
森崎 「癒されますね〜♪♪」
森崎 「なんか畳の上みたい…」
田中さん 「“ござ”なんですけど、 これも高橋こうじ店から受け継いでいます!」
田中さん 「ここに“こうじ菌”をふりかけます!」
森崎 「菌をまくんですね」
こうじ菌を見てみると−
憧れ「抹茶塩みたい!!」
森崎 「ふりかけをご飯にかけるみたい!」
田中さん 「一粒一粒の米にこうじ菌をなじませます! もむように、やさしく!」
憧れ 「全部手作業なんです。 かき混ぜれば混ぜるほどいい香りがする」
森崎「玄米茶のような香り」
じゃじゃん!もんすけです! 日高町の「こうじ」の伝統を受け継いだ、 カモミールの会。 昭和初期には、町に数軒あった「こうじ店」も、 今年ついにゼロ軒に…。メンバーにつくり方を教え、 最後まで営業を続けてきた「高橋こうじ店」の 3代目ご夫婦に、その思いを聞いてみたよ!
高橋好(よしみ)さん 「先祖から受け継いだ作り方とか これで終わりかな〜と思うと さみしい…っていうのがあったんだけど カモミールの会がやってみようかって事で 受け継いでくれる人がいて良かったな」
好子さん 「ホッとした感じ。安心しました」
カモミールの会がつくった「こうじ」の出来は、 どうだったの? 好さん 「ほとんど同じ!うまく出来ましたよ! 昔の作り方でなるべく長くやってもらいたい! それだけですね」
高橋さんご夫婦から、4代目としてバトンを 受け取った、カモミールの会! 皆さんの「こうじ愛」を感じるよね!
さてここで、あぐりメンバーも お手伝いさせていただくことに!
米が蒸し上がりましたよ〜
森崎 「湯気がすごいすごい!映ってますか?」
田中さん 「手で返してもいいですよ」
森崎 「金井さんは手でやってみて!」
田中さん 「熱いですよ。本当に!」
憧れ 「あ〜アッツイな… アツッ!!!」
ぶーん
米、飛んだ…
森崎「ちょっとやめてよ」 憧れ「すみませんすみませんすみません…」
田中さん 「熱いですよ!って言ったので、ね… 気を付けてください!!」
米が熱すぎると、 こうじ菌が死滅してしまうので、 繁殖しやすい温度まで冷ましてから、 まぶしていきます。
やさしく丁寧になじませたあとは?
森崎 「蒸した米にこうじ菌がかけられたものが ゆりかごに入りました。 そこで、ゆっくり寝るんですね」
田中さん 「もう発酵が始まってくるんです。 こうじ菌が混ざったので! これにタオルケットの布をかけます」
憧れ 「ぐっすり眠れそうですね」
田中さん 「朝になると…綿(わた)をかぶった 繭玉(まゆだま)のようになります。 これ朝の5時ぐらいですね」
「こうじの花が咲く」とも呼ばれる、 この状態。 こうじ菌の胞子がふくらみ、 花が咲いたように見え、うまく仕上がった証!
田中さん 「3日目と4日目の夜は3回くらい 温度をみに来ます。夜中も!」
森崎・憧れ「ええええ」
田中さん 「今晩はしばれる、しばれないとか、 外気温で中の温度が変わるので! 温度がすごく大事なの! 3〜4時間に一回は見に来ます」
ココロ「無理!無理!」
田中さん 「でも…朝これを見るでしょ? 吹っ飛びますよ。嬉しくて!」
森崎 「こうじLOVE半端ねー」
田中さん 「開けた瞬間、 『よく出てきてくれたね♪』」
みんな大爆笑♪
カモミールの会がつくる「生こうじ」。 一般的に出回る「乾燥こうじ」とは違い、 お湯で戻す必要がなく、 料理などにそのまま使えるメリットがあります。
■里平(りびら)食楽カモミールの会 「生米(うまい)こうじ」 500g 450円 1Kg 900円(全て税込)
■ご購入は http://shop.hyakushotanaka.com/まで ※3月末まで製造(次回は11月から販売予定)
中でも、1番のオススメが甘酒! 炊飯器に「生こうじ」と、 60℃ほどのお湯を入れ、 フタを閉めずにふきんをかけ、4時間保温! ミキサーにかけて完成です。 果たして、そのお味は…?
※詳しい作り方はレシピコーナーへ!
さて、お味は?
ココロ 「食感がヨーグルトみたい!柔らかい」
森崎 「なまらうまいじゃん! 作られたあま味じゃなくて自然なあま味!」
憧れ 「これすごいですね!飲みやすい」
憧れ 「衝撃的だったのが 私は毎朝… 90℃の熱湯入れてるんですよね」
田中さん「あああ…あああ〜〜」
憧れ「こうじ菌は??」
田中さん 「死んじゃいます」
ざんねーん♪
「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒。 その原料の「こうじ」には、 どんな栄養が含まれているのか、 荒川先生に聞いてみたよ!
天使大学看護栄養学部 荒川義人教授 「2006年に日本醸造学会が “こうじ菌”を国菌(こっきん)という 日本を代表する微生物という認定をした。 昔から甘酒が飲む点滴と言われるのは、 デンプンが分解してブドウ糖ができる、 これはエネルギーになります。 たんぱく質が分解してアミノ酸、 脂肪が分解されて脂肪酸ができたり。 またビタミンB群が作られたり、 こうじ菌自体に食物繊維が豊富だったり。 こうしてみると、栄養剤に使われている 点滴に成分にこうじが似ているので 飲む点滴と言われるんですね」
健康や美容に嬉しい、 驚きのパワーを秘めた「こうじ」。 うまく料理に取り入れて、 ボクもいっぱい食べよっと!
ここからはこうじを使ったお料理を 作っていただきましょう♪
田中さん 「生こうじで“塩こうじ”を作ります」
お湯で戻す必要がなく、 より食材になじみやすい「生こうじ」。 まずはその「生こうじ」を、 「塩こうじ」にする方法を教えていただきます。
田中さん 「生こうじに分量の塩を入れ、混ぜます。 それを炊飯器に入れます」
ここに水を加えてフタを閉じ、 保温ボタンで7時間!すると…
田中さん 「これが塩こうじです。 しょっぱいですけど あま味もあって美味しいです」 ※詳しい作り方はレシピコーナーへ!
森崎「これご飯にあう!」
憧れ「これをご飯に乗せるんですか?」
森崎 「塩こうじごはんでイケル!」
同じ作り方で醤油を使えば「醤油こうじ」に! それぞれ冷蔵で1〜2か月は保存がききます。
まずはその「醤油こうじ」と、 オリーブオイル、酢、ハチミツなどを 混ぜ合わせ特製ドレッシングに!さらに…?
田中さん 「ゆで卵と塩こうじを袋の中で漬けこむと 中まで染みて味がつきます。 サラダやラーメンのトッピングに使えます」
続いては、「ジャーマンポテト」を 「塩こうじ」で味付け! このように、塩や醤油の代わりに使うので、 和食はもちろん、洋食にも応用がきき、 万能調味料になるんです! そして、最もオススメの調理法が…?
※詳しい作り方はレシピコーナーへ!!
憧れ 「3品目は『から揚げ』ですね」
田中さん 「昨日のうちに塩こうじに漬け込みました。 鶏肉の臭いが消えると思います。 それと肉が柔らかくジューシーになります」
森崎「熱いっ!熱いっ!」
色がついてきました。 すると…
ヒナタ「全然違う!」
衣の厚さはさておき、2種類の唐揚げが完成! 早速、試食してみます。
ココロちゃん。まずは金井アナウンサーの 唐揚げをパクリ! 「おいしい!これは普段食べる感じの!」
森崎 「塩こうじ使った、こっち食べてくれる?」
ココロ 「脂がめっちゃのっている。美味しい!」
森崎 「やわらかさは、どう?」
するとココロ。首を横にふり冷静に 「全然違います」
あまりの冷静なひとことに みんな大爆笑!
森崎「全然ちがいます…」
森崎 「お肉がプリッとしています。 柔らかいんだけど、しっかり弾力がある」
憧れ 「ビックリする! こんなに違うんですね」
続いて「醤油こうじ」のドレッシングと、 「塩こうじ」に漬けたゆで卵のサラダは?
森崎 「ほのかに塩味があってうま味が強い」
ココロ 「ドレッシングがすごく美味しい。 初めて食べるドレッシング。 うま味が広がって味が濃くておいしい」
「塩こうじ」のジャーマンポテトも…
ヒナタ「ジャガイモが柔らかくて美味しい」
憧れ 「塩こうじって和食のイメージでしたけど 洋食にも合うのはビックリしました」
さて今日一日を振り返って…
森崎 「“こうじ”の道具が 廃材になる可能性もあったわけですよね。 それ全てに命を吹き込んでくださった」
森崎 「この冬から生活が一変したんじゃないですか」
田中さん「2月は忙しくて…」
森崎「でも…」
田中さん「楽しいです!」
森崎「ますます若くなっちゃいますね」
わはははは〜
森崎 「お母さん達すごかったね」
憧れ「パワフルでしたね」
森崎 「カモミールの会というより パワフールの会でしたね。 こうやってバトンを受け継ぎながら 色々な物を守っていくんだなって事が 分かりました」
森崎 「これからも北海道の農業を応援して下さい。 お疲れ様でした」
憧れ「ありがとうございました」
森崎「どうもありがとう」
最後の握手…ですが
森崎 「手袋は脱ごうか…」
憧れ「すみません。最後の最後まで」
森崎 「手袋を脱いで握手だな。普通…」
憧れ 「そうですよね。ごめんなさい!」
森崎 「お疲れ様でした」
3月18日のクイズ 「生乳を酪農家から工場へ運ぶ ローリー車のことを、 なんと言ったかな?」
正解は「ミルクローリー」でした
森アナウンサー 「金井アナウンサーから バトンを受け継ぎました、 HBCアナウンサーの 森結有花(もりゆうか)と申します。 帯広出身で北海道が大好きなので 食の魅力を伝えるべく頑張ります! 宜しくお願いします」
森崎 「北海道好きですか?負けませんよ」
森アナウンサー 「じゃあ勝負しましょう」
森崎 「ガッチリタッグを組んで頑張りましょう」
みなさん、どうぞ宜しくお願いします♪
憧れ 「帯広市から車で30分。 更別村にやってきました」
森崎 「THE十勝!THE北海道っていう 景色が一面広がっていますな〜 もう少しで雪が解けるだろうな」
憧れ 「今日は農作物の生産に注目する訳では ないんです! これから注目するものが 勇ましく登場してくれます!」
森崎「なんですか?祭りですか??」
憧れ 「では、せーのっ!お願いしま〜す」
ブウウウウウーーン
森崎「あれですか?大きなトラック」
森崎 「これは…ミルクローリーでしょう!」
憧れ「そうです」
森崎 「ということは今日は牛乳ですな!!」
憧れ「その通りです」
今回のあぐり王国ネクストは、 生乳が牛乳パックに詰められるまでの 仕組みに注目!します!
憧れ 「ということで今回は 生乳が牛乳になるまでの仕組みを学びます。 今日はスペシャルな女子大学生を 2人よんでいます」
森崎「スペシャルな女子大学生?」
今回は、札幌にキャンパスを構える、 天使大学3年生の高山裕香子さんと、 2年生の秋山菜々子さんが参加! 「ミルクラ」と呼ばれる牛乳サークルに 所属する二人です。
森崎「牛乳サークル?そんなのがあるの?」
ユカコ「2年前に作りました」
森崎「作ったんだ!誰が?」
ユカコ「はい!」
森崎「サークルって学生が作るんだ」
ユカコ「はい!作れました!」
森崎 「ところで2人はこの車わかるかい?」
女子大生「ミルクローリ−?」
森崎 「そうそう。あの中に入っているのは?」
女子大生「牛乳!」
森崎「牛乳じゃない!」
憧れ「えっ??」
ユカコ 「生乳は絞ったままのミルク。 牛乳は殺菌して人が安全に飲めるように 加工したミルク!」
森崎「カンペキだ!卒業!すごい!」
森崎 「金井アナウンサーは留年!」
憧れ「えええええ〜」
憧れ 「今回お世話になる池田さんです」
128頭もの乳牛を飼育する、 酪農家の池田嘉峰(ヨシタカ)さんに、 生乳の生産について詳しく教えていただきます。
森崎 「2人は本物の牛に会った事ある?」
ナナコ 「観光牧場で搾乳体験をしました」
森崎 「でも大平野の中になる牧場には?」
女子大生「初めてです」
憧れ 「実は私達、前日に牧場に来て すでに搾乳体験をしたんです!」
森崎「えっ???」
金井アナと女子大生の二人は、 前日に池田牧場の牛舎を訪れ、 乳牛の様子はもちろん、 酪農家が日々行っている搾乳の仕事を見学。 そして、お手伝いもさせてもらったのです!
池田さん 「ミルカーをつける乳頭をキレイにして 次は前搾りをします」
乳房の衛生処置などをしたあと、 搾乳作業を見せて頂いて、 いよいよ女子大生の二人も挑戦!
これまで、体験牧場での乳搾りは 経験済みということですが…
ユカコ「ああああ〜〜」
ナナコ「難しい入った〜!!」
悪戦苦闘しながらお手伝いします。
ユカコ 「こうした作業を毎日行うんですか?」
池田さん 「そうですね」
ユカコ「すごい大変…」
憧れ 「ちなみに私達が絞った生乳って まだあるんですか?」
池田さん 「あります! そろそろミルクローリーが 来るかと思うんですけど、それで!」
森崎 「さっき道の駅にいましたよ!!」
池田さん 「いたんですか! 何さぼっているんだ!!(笑)」
※もちろん撮影用ですよ〜♪
森崎 「ミルクローリ−来ましたね。 さあどうやってバルククーラーから 運ぶのでしょうか?」
すると…
運転手さんが慣れた感じで入ってきました。
森崎 「おおお〜カッコイイな。 ちょっと見学させてもらいます!」
森崎 「ホースを取り付けました。 トラックと繋がりました」
すると今度は小さなスプーンで
憧れ「飲んでる〜!」
そして…
憧れ「吐いた〜!」
みんな、キョトーン。
憧れ「何をしていたんですか?」
更別運輸 田澤修さん 「牛乳が腐っていないか味覚で検査します」
森崎「田澤さんがチェックするんだ」
各酪農家の生乳をミルクローリーで集める 集乳(しゅうにゅう)作業は、 生乳に対する知識や品質検査の方法など、 専門的な講習を受けて認証された ドライバーのみが行える仕事なんです。
集乳の際の検査以外にも、 専門分析機関への生乳サンプルの採取も 行っています。
森崎 「すごい責任のあるお仕事ですね」
田澤さん 「やっぱり自分の子供も学校給食で 牛乳を飲んだので “清潔な生乳を運ばなきゃな”って 意識はありましたね」
森崎 「毎日だよ… ここの家は大丈夫だって分かっていても 絶対検査するんだよ!!」
ユカコ 「ちゃんと安全か確認しているんですね」
憧れ 「池田牧場でも衛生管理を徹底しているのに さらにドライバーさんが集乳時にも たくさん検査をしているのは驚きですね!」
森崎「本当ですよね〜」
十勝エリアでは、集乳時の品質検査のほか、 酪農家ごとに、バルククーラー内の 温度異常がないかを24時間監視して、 異常が発生した場合、 酪農家へメールで知らせる、 「乳温遠隔監視記録システム」と いうものを導入。
生乳の品質を守る徹底した 取り組みが行われているのです。