あぐり王国 放送内容

2021ǯ0227土
♯606 栗山町・こうじ編①


日本酒や味噌、しょうゆ、みりん、酢などの調味料。
どれも発酵食品と呼ばれ、
古来から日本の食文化を支えています。
そしてこれらには、日本人にとって欠かせない、
ある共通の原料が使われています。




それは「こうじ」!

今回のあぐり王国北海道ネクストは、
日本人の味覚の礎、こうじに注目!
栗山町にある新進気鋭のこうじ工房で発見の連続です。




森結有花アナウンサー
「栗山町にやってきました」

森崎博之リーダー
「天気がいいですね。気持ちがいいね。
 どこまでも続くこの雪原!広いですね~
 栗山町というと新生姜を取材したところですよね。
 他にもトピックがあるんですよね」

森アナ
「栗山町を含む空知管内は
 米どころで稲作が盛んですよね」

森崎リーダー
「おそらくここもお米じゃないですかね」





森アナ
「今回はそんなお米と関係が深い“こうじ”に注目します!」

リーダー
「今もう世の中はもう発酵ブームですからね…
 日本が誇るこうじ菌はすごい人気ですよね」

森アナ
「栗山町にはその“こうじ”専門の
 醸造所(じょうぞうしょ)があるそうなんです」

リーダー
「“こうじ”専門の醸造所??」

森アナ
「2016年に開業したんですけれども、
 道内で新しい“こうじ”の醸造所ができるのは半世紀ぶり!
 大変珍しいことなんですよ!」





リーダー
「でもこうじっていうのは、
 お酒だったり、味噌だったり、しょうゆだったり
 色んなものに使われますから、
 いろんなところで歓迎されてるでしょうね!」

森アナ
「なので今回は栗山町のこうじの
 ゾウ…ジョウ…ジョ…ジョウ~~」

リーダー
「ここまで前枠カットせず、
 全部使えるところだったんですけども~!」

森アナ「悔しい~」





ん〜アナウンサー泣かせの難しいフレーズ!わかりますよ〜!
ということで、こうじ専門の醸・造・所、(ぞう・じょう・しょ)
蝦夷ノ富士醸造(エゾノフジジョウゾウ)にお邪魔しました。





森アナ
「蝦夷ノ富士醸造の社長、池下さんです。よろしくお願いします」

代表として工房を1人で切り盛りする池下雄介さんに、
こうじについて詳しく教えていただきます。





池下さん
「こちらが米こうじになります!」

リーダー
「お米のパッケージをちょっと感じさせる…」





池下さん
「こうじの種類的には何百種類ってあるんですが
 大きく三つに分けると…
 まず一つ目は、甘くするこうじ。
 代表的には日本酒に使われる。
 そしてもう一つは、素材の旨みを引き出すこうじ。
 これがおしょうゆ用のこうじです。
 そして【あま味】も【うま味】も両方引き出したいという
 欲張りなこうじが三つ目になりまして、
 うちはその“欲張りなこうじ”を作っている工場です!」

リーダー「これ欲張りなんだ」

池下さん
「【うま味】も【あま味】もしっかり出る!」





米や豆、麦などの穀類に、
こうじ菌というカビの一種を加え、繁殖させてつくるこうじですが、
うま味やあま味を引き立てるだけではなく、
栄養を分解して体に必要なエネルギーに変える働きを持つ、
消化酵素なども豊富に含んでいます。





森アナ
「こうじというのはそもそも菌なんですか?」

池下さん
「こうじは『お米』という土の上に
 こうじ菌というものを植え付けるんですよ。
 それでこうじ菌を成長して
 収穫できるようになったようなものが…こうじ!!」

リーダー「何かわかりやすい」

森アナ「分かりました!分かりました」

池下さん
「なのでどうやってうまく生育させていくか…
 それが腕の見せところでございます!」

リーダー
「こんなに明確に答えをいただいたのは初めてです」





リーダー
「そもそも何でこうじ屋さんなんですか?」

池下さん
「元々ですね、僕のひいじいさん・じいさん・親父と
 こうじ屋をやっていました。
 昔から親父がずっとこうじを作ってる姿を見てて…」





池下さん
「こうじって3日間かけて作るものなので
 なかなか大変なんです。
 ずっと黙って集中しながら作る寡黙な姿を見てですね、
 僕もやりたい!ってずっと思ってたんです」

写真左:一彦さん(父) 写真右:池下さん




幼少期からの夢を実現させるため、
東京の大学で食品の発酵についてなど専門知識を習得。





その後、職人としての技術と経験を積み、
5年前に蝦夷ノ富士醸造をスタートさせたのです。

リーダー
「代がわりっていうことじゃなく独立で?」

池下さん
「僕、この会社1人でやってるんですけど
 1人で自由にアグレッシブに
 思い切ったこうじを作っていこうということで5年前に独立しました」





池下さん
「実は海外の方に少しこうじを卸してまして
 海外のシェフは、こうじの固定概念がないので
 例えばリゾットにしてみたり… 
 すごい変わった使い方をされるんですね。」





池下さん
「そういうところに行って、意見を聞いて
 次のこうじ作りにフィードバックさせてっていうような繰り返しを
 ずっとやってきたので、そういう部分では
 アグレッシブでパワーアップできるかなって…」

リーダー
「すごく面白いし、なんか無限の可能性が
 ちょっとここから広がりますよね」





池下さん
「めっちゃくちゃ面白いです!!」




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