あぐり一行「場長!おひさしぶりです!」
乳牛の飼育頭数600頭、 そして従業員は20人という 大規模農場で生乳生産を行っている、 「仁成(じんせい)ファーム」。 6月に訪れて以来、およそ半年ぶりの 再会となる佐藤場長に、 今回も酪農について教えていただきます。
森崎 「女子高生2人が名付け親になった ユナちゃんという 子牛ですけど変わりありましたか?」
佐藤場長 「だいぶ大きくなりましたね… いま220~230キロぐらいです」
森崎「うわ~大きくなったねえ」
ということで一行は、 その成長を確かめるため、 ユナが飼育されている牛舎へ。
ナナミ 「(耳標の番号が) 17(イイナ)17(イイナ)でしたよね」
すると…
ユナちゃんいました!
ナナミ 「毛が前よりフサフサになってる!」
森崎「覚えてるかなあ??」
ユキコ「ユナちゃん!」
ちょっと怖がっています
藤尾「初めまして感が強いんだけど…」
佐藤場長 「人との距離をとるようになったのは 体調を崩した時期があって 点滴や注射などをされるって時期があって 人が近寄ると警戒する性格になった…」
森崎「そうか…今は?」
佐藤場長「元気です」
藤尾 「いまユナだけが繋がれていますが…」
佐藤場長 「これから削蹄(さくてい)という作業が 行われます…」
森崎「削蹄ってわかる?」
ユキコ・ナナミ「??」
佐藤場長 「ツメの形を整える という作業を定期的にします」
森崎 「人間でいうと爪切りだよね。 病気から守ったり大事なことになるんです」
この日はユナにとって初めての削蹄(さくてい)。 生後8ヶ月ということで 爪の表面を少し削る程度の 簡単な作業を行うそうなんですが…。
機械でツメを削っていきますよ…
ギュイイイイーン
丁寧に丁寧に削っていきます…
森崎「削ったところが白くなってる」
佐々木「これは技術がいりそう」
森崎「ナナは爪が伸びてないか?」
ナナミ「さっき切りました」
森崎「整えてもらわなくていいか?」
ナナミ「大丈夫です!」
佐々木「怖いですよ!」
削蹄を見学したあとは酪農シリーズの 恒例作業となっているエサやり!
このエサは? 佐藤場長 「前回の撮影時に作業していた サイレージです!」
さあエサの準備です。すると…
藤尾 「すごい牛が急に鳴きはじめた!」
重労働の“エサやり”を 難なくこなしていく女子高生。
そのあと牛の口元にエサを近付ける “エサ押し”も行って作業終了。
するとここで作業を終えた二人に、 今回どうしても見てもらいたい 映像があるというお話が…
実は牛の出産を撮影できたのです! さて映像を見てみると…
佐藤場長 「ちょっとお産が長かったので 手を貸して引っ張ります」
ナナミ「ここまでで何時間くらい?」
佐藤場長 「1時間ぐらい陣痛があったんですよね」
藤尾「あ~出てきた!」
やっと生まれました… するとすぐに首をあげました。
ユキコ「すごい!」
森崎「立とうとしてるね」
藤尾「ユナもこうだったんですよね…」
佐々木 「仁成ファームでは日々こういう出産に 立ち会っているってことですよね」
一般的な乳牛は次の出産に 備える60日間程度を除き、 ほぼ休まず搾乳され 出産後2ヶ月程度で 次の人工授精が行われます。 こうして乳牛は、絶えず私たち消費者に ミルクを供給してくれているのです。
そしてさらに、リーダーから…
ということであぐり一行が訪れたのは、 ホクレン釧路地区家畜市場と呼ばれる場所。 ココでは何が行われているのでしょうか…
ユキコ「うわ~小さい!!」
森崎「賑やかだねえ」
ここででは主に肉牛農家の方々が集まり、 生後2~3週間程度のオス牛のほか、 乳牛として役目を終えた牛の売買も行われます。
藤尾 「牧場で牛は産れて、 その牧場で搾乳される所を見てきたから 買うという方法もあるんですね」
奥山さん 「牛乳生産にはそういった側面も 現実にあることを知って欲しい…」
森崎 「北海道は一大酪農産地。 搾乳をする乳牛がたくさんいます。 でもその裏でオスとして生まれてきた場合は 競りにかけて肉牛農家に買われる。 酪農産地ならではの現実ですよね」
ナナミ 「これから生きていく中でも こんなに見れること絶対ないから すごくいい経験になったと思うし、知識も。 自分がこれから牛肉を食べたり ミルクを飲むことに関しても すごく大切なことだと思いました」
ユキコ 「ありがとうという気持ちを持つことは 誰もがわかっているけど みんなは(家畜市場を)見た人は少ないので 私は見られたので心からありがとうって思うし 高校生のうちに見られて良かった思いました」
じゃ~ん、もんすけです! 酪農シリーズでお世話になっている 仁成ファームを含めた、 釧路市周辺の生乳が集められる 「よつ葉乳業根釧工場」。 僕たち消費者に届けられる牛乳が、 どのように加工されているのか、 佐々木アナウンサーと女子高生の二人が 見学してきました!
佐々木「いま時間?」
よつ葉乳業 根釧工場 長谷川裕高さん 「深夜1時30分くらいですね…」
ナナミ「普段寝てます!」
佐々木「この時間も動いているんですね」
長谷川さん 「24時間必ず人がいる工場です。 この時間は牛乳製造の準備をしている時間帯。 機械の立ち上げや前殺菌などの準備をして これからの製造に備えております」
よつ葉根釧工場では 昼間に各牧場で搾られた生乳を受け入れて、 計量や品質の検査を行います。
その検査に合格した生乳は、 不純物を取り除く作業や殺菌処理などを経て、 牛乳パックに詰められるんだよ。
佐々木 「どんどん流れていますけど 1日にどれくらいの量の牛乳が 作られているんですか?」
長谷川さん 「牛乳全体では1日5万本ぐらい。 北海道の他に東京都・大阪府・愛知県や 東北などに供給させて頂いています」
佐々木「牛乳だけ作っているんですか?」
長谷川さん 「生クリームや粉乳という粉にした ミルクを作っています。 牛乳が2割、それ以外の製品が8割です」
佐々木「牛乳が2割ですか??」
ユキコ「意外ですね!」
年間9万9千トンもの生乳を 加工している根釧工場。 その大きなウェイトを占める、 脱脂粉乳の製造方法もスゴイんだよ~
ユキコ「うわっでかい!!」
佐々木「大きいですね」
長谷川さん 「チャンバーと言いまして 牛乳を濃縮したものを上から 霧吹きのようなもので吹き込むんですが 中に熱い風がまわっていて その中を霧状の牛乳が落ちていくまでに 乾いて粉乳にする装置です」
森崎 「ユナももうすぐ働いてもらうんだよね」
佐藤場長 「再来年の1月~2月ごろから 搾乳の仕事をしてもらう予定です」
森崎 「早いね。あっという間だね まずはそこの向けてユナには 頑張ってもらいたい…」
最後のお手伝いは牛舎の寝床作り。 感謝の気持ちと、 これからの活躍を願い、 心を込めて作業します。
森崎「ふわふわだ。喜ぶよ」
牛たちが気持ちよく暮らせる快適なベッドを作り、 女子高生二人の最後のお手伝いが了。
牛が流れこんできましたよ! 飛び跳ねて喜んでいます。
森崎「うれしいんだなあ」
ユキコ「ずっと寝床にいたら仲良くなれそう」 ナナミ「頭撫でられた!」
ユキコ 「すごい居心地がいいですよね。 家のリビングより居心地が良い!」
シリーズを通して 乳牛との距離もだいぶ近づいた二人。 初めてユナに出会ってから8ヶ月という歳月が、 普段の生活では決して得ることのできない、 宝物となったようです。
さあお別れです。 ユナにメッセージを伝えます。
ナナミ 「最後までユナの姿を見届けることは できなかったけど 元気に育って搾乳する立派な牛になって みんなに幸せを届けるような存在になってね」
ユキコ 「ユナ!会えてうれしかったです! いつまでも元気でいてね~」
最後にみんなで「ユナありがとう!」
最後にお世話になった佐藤場長へ あぐり娘がシチューを作りました。
仁成ファームで搾られた牛乳と、 地元産「阿寒丹頂黒和牛」や 野菜をじっくり煮込んだ 女子高生特製のホワイトシチュー。 隠し味の黒胡椒が決め手の スパイシーな大人の味に仕上げています。 感謝の気持ちを込めた料理に 佐藤場長の感想は?
佐藤場長 「おいしいです!クリーミーで!」
さて女子高生たちは?
ナナミ 「わたしもともと牛乳が嫌いだったけれど 根釧牛乳はむしろ好き! これも新鮮な牛乳だからかもしれないけど 家で食べるのと全然違って美味しい!」
見るものすべてが驚きの連続だった、 女子高生達の酪農シリーズ企画。 大規模経営を展開する仁成ファームの 佐藤場長にとっては、 どのような時間だったのでしょう。
佐藤場長 「普段はどうしても作業に追われて 忘れてしまうことに 改めて気づかされたというか… 牛乳を生産しているんですけど その先に食卓という部分までは なかなかイメージするのがつかない… 彼女たちが気づかせてくれた。 その先があるんだよ…と」
森崎 「いろんな方が携わって 北海道の農畜産物って スケールがでかいし たくさんの人が従事して 私達の食卓に届いてるって どの農産物もそうなんだけど 北海道は一大酪農産地なんだから これは伝えていきたいですよね」
最後のあぐり娘の体験ノートから… 砂押祐貴子 「私が今まで何も考えずに飲んでいた牛乳に こんなドラマがあったなんて 初めて知りました。これから全く知らない 大人も大勢いると思うので しっかり後世に伝えていくのが大切だと 思いました」
藤村七海 「エサやり、牛舎の掃除、お世話、 それだけにとどまらず、 もっともっと広いネットワークで 私達においしい牛乳を届けてくれて いるんだということが1番印象的でした。 私たちの生活に必要な現場を知ったことは 一生の宝にしたいです」
8か月にわたり 仁成ファームのみなさん 本当にお世話になりました。 牛乳がもっともっと好きになりました。 ありがとうございました!