佐々木 「今日はむかわ町にやってきました」
河野「5年くらい前に来ましたね」
森崎「ハッキリ覚えてます!」
河野「本当ですか?何取材しました?」
森崎「ししゃも!」
河野 「違います。 5年前もそのボケやってはります!」
河野 「春レタス!別名、乳草(ちしゃ)」
森崎 「覚えております。 レタスは切りたて新鮮だと 切り口の茎から粘性の白い液体が出ます。 それは痛んでるんじゃなく新鮮な証拠! これをペロリと舐めるとほろ苦い感じで 『ラクチュコピクリン』 という成分がございまして 軽い鎮静・睡眠効果がございます」
河野 「すみません。確かにスゴイんですけど 今回それじゃないんで!」
佐々木 「道内の農業関係者だけじゃなく それ以外の方からもココむかわ町は 注目されているんです! 」
レタスでは無く、ししゃもでも無く、 むかわ町が注目を集めるものとは!? みんなでその秘密を探っていきましょう。 今回一緒にお勉強してくれるあぐりっこは 小学5年生の高野かおりちゃんと、 小学6年生の丹野創一朗(ソウイチロウ)君。
ソウイチロウ 「しんき◎△のう?」
森崎 「何て言った? しんき◎△のう?」
佐々木 「これは新規就農(しんきしゅうのう)」
森崎 「これは『農業に就く』という意味です」
新規就農支援とは生産者の高齢化や 後継者不足による農業の担い手確保を 目的に考えられた取り組みで、 全道各地で行われています。
佐々木 「新規就農をみんなで学びます」
森崎 「つまり農家さんでなかった人、 普通にお仕事をされてた人が 転職して 農業を始めることですよね」
佐々木 「そういった形は これまでもあぐり王国でもやってきました」
森崎「ありましたよ。やってますよ~」
河野 「どうしてむかわ町でやるんですか?」
佐々木 「そうなんです! むかわ町は他の町とちょっと違う」
森崎「ええっっ!!」
河野「まだ驚くポイントそんなにないですよ」 佐々木 「その取り組みがどんなものなのか 注目される理由は何なのか? 今日はみんなで探りたいと思います!」
飛岡さん 「まず現在むかわ町で1年間に 『農業やりたいぞっ!』と 相談に来る方、就農希望者ですが 年間30名ほどいらっしゃいます」
さて就農希望者に対して どのような対応をしているのでしょうか?
森崎 「それで(自分には)合わないって場合は お断りすることも出来る?」
飛岡さん 「プレ体験で『農業は自分に向いてない』 と思った場合は、 辞める方もたくさんいます」 河野「ほかの町でもやってる?」
飛岡さん 「やってる所もあると思うんですが うちの特徴は 『短期体験で農家に泊まる』。 実際に農家の生活をして (農家の方と)ごはんを食べたり お酒を飲みながら 農業のことやむかわ町のことを じっくり聞きことが出来る!」
森崎「飛岡さんお酒好きそう~!」
飛岡さん 「地域の生産者や受け入れ農家、 農協・町・農業委員会、 こういった関係機関が一体となって 新規就農者をサポートするような 体制をとっているんです!」
森崎「なんかいっぱいいますよ~!」
佐々木 「サポートする人がこんなにいます」
森崎 「一家族にこれだけのたくさんの 人たちがバックアップしてくれる…」
河野「これは珍しいことですか?」
飛岡さん「そうですね!」
森崎 「町をあげて新規就農者を 歓迎しますよってことですよね」
飛岡さん 「この体制を整えるのに 一番最初に『やりましょう』と言ったのが 農業者からなんです。 これからのむかわ町の農業を考えたときに 町外から農業に携わる人を育てようと… そこでむかわ町やJAも含めた関係機関が バックアップする体制を整えました」 森崎 「みんなで分担してフォローしようよっ 盛り上げようよってことが むかわ農業・むかわ町のためになる! これが確立してるって素晴らしいですね」
飛岡さん 「長い年月がかかりましたけど なんとかここまで来たのかなっって!」
じゃーんもんすけです。 2010年に生産者やJA、 そして役場などが連携して本格的な 新規就農への取り組みが始まりました。
地域全体の万全なサポート体制によって 就農希望者の相談件数が増加。 就農後の営農体制にその理由があるんだって。
JAむかわ 西内敬宜さん 「取り組みやすい農業が“ハウス栽培”。 今むかわ町ではトマトやレタス栽培に 取り組んでいますので お金がかからない取り組み方として ハウス栽培をメインにしています。 最近は農業法人も増えてきてますので 農業者の片腕となって 一生懸命に仕事してもらうことは むかわ町の農業のためになっています。 関係機関や団体が一体となって 積極的に支援しています」
むかわ町で取り組んでいる新規就農は ビニルハウスなどを使った野菜栽培に 限定していて、年間を通した 安定的な生産体制を確立しています。
生産量の向上にも繋がる新規就農。 この取り組みを積極的に進めた 地元生産者さんにその想いを伺いました。
生産者 内海 久俊さん 「地域の人たちも新規就農者には かなり期待をしているし 彼らもすごい前向きで真剣で活気がある!」
内海さん 「地域の高齢化が進んでいるので 若い人と接することで 元気になって頑張る! そのような相乗効果でいい刺激に なっていると思ってます」
地域全体に活力を与える むかわ町の新規就農の取り組み。 全道各地にもっと広がるといいよね!
次にあぐり一行がやってきたのは 巨大なハウスが連なる農場です。
佐々木 「鵡川研修農場で実際に 農業体験をしているところ。 ハウスが8棟あるそうですよ」
新規就農を目指して研修に参加しているのは、 札幌ご出身の 研修1年目・阿部育生さん(41歳)と 研修2年目・関浩一さん(47歳)です。
佐々木 「ハウスの中で作業されてましたが 何をしていたんですか?」
関さん「トマトの収穫です」
森崎「もう11月ですよ?」
関さん 「時期的にはほぼ終わり頃なんです」
森崎 「こんなに上にトマトがなっているのを 見たことない! これってハサミで収穫するの?」
すると関さん、 まずはプチンと手でトマトを収穫。
軸をハサミでカットします。
関さん 「(軸を切らずに)トマトを箱に詰めると ほかのトマトに穴を開けるので 必ず軸をきっています」
森崎「そうなんだ~」
河野 「なんか研修センターの先生みたい!」
研修農場ではハウス栽培の技術を 学ぶだけではなく生産者と同じように、 自分たちで収穫と出荷まで 行っているんです。
せっかくなので、 あぐりっこも収穫体験をさせて頂きました! 自分で収穫したもぎ立てトマトのお味は?
さて佐々木アナウンサーも一口…
佐々木 「…ウソでしょこれ~!! すごい甘い!! 」
河野 「すみません。どういうリアクションか よくわからなかったんですけど…」
佐々木「果肉の部分が甘い!」
河野 「自分が育てたトマトを 食べた人のリアクションって 見たことあります?」
関さん「いや全然ないです」 河野「じゃあ初めて?どうですか?」
関さん 「正直…うれしいです」
現在、新規就農に向けて研修中の 関さんと阿部さん。 共に家庭菜園などで農業への興味を抱き、 札幌でのサラリーマン生活に終止符を打ち、 むかわ町にやって来ました。
人生をかけた新規就農。 なぜむかわ町を選ばれたのでしょうか?
関さん 「町の人たち役場やJAの方、 農家さんの色んな後押しもありますので ここだったらきちんと出来ると思って 来ました」
阿部さん 「僕が初めてむかわ町に来た時に 冬にレタスがハウスにびっしりあった…」
佐々木「何か質問あるかな?」
ソウイチロウ 「最初はうまくいかない事も あったと思うんですけど 頑張れた秘訣とかは あるんでしょうか?」
関さん・阿部さん 「う~~ん、難しい質問だなあ(苦笑)」
森崎 「原稿用紙に書いてほしいぐらいの お題だねえ~」
阿部さん 「野菜ってやってもやっても 正解がない。 『これでいい!』というのがないので 毎年毎年これしたらどうだろうとか 試行錯誤をして 『おいしいものを作ろう』というのが 頑張れる秘訣だと思います」
地元生産者など多くの人達の サポートを受けながら、 夢の実現を目指す二人。 大きな希望を持って、 新規就農を目指しています。
森崎「どんな農家になりたいですか?」 関さん 「むかわ町の農家の名に恥じない 物づくりをしていければと思います」
阿部さん 「畑違いの所から来て農家目指しているんで 会社勤めの経験や情報を活かしながら 農家になって、ゆくゆくは子供が成長して 『農家ってそんなに悪くないよね』って 思っておもえるような農家になってですね、 むかわ町の農家さんにも認められるように 頑張りたいなと思います」
佐々木 「一人前の農家さんになったみなさんに 取材に来たいですよね~」
森崎「早くして~いつか取材にきますよ!」
佐々木 「今は何をされているんですか?」
宮川さん 「≪わけありトマト≫を作っていました」
河野 「わけありトマト??何ですか?」
宮川さん 「少し形が悪いものなどを袋詰めして 出荷しています」 森崎 「何かうまくいかなかった事ありますか」
宮川さん 「長雨とかが続いたので カビが出ちゃって… 防除とかしたんですけど タイミングが良くなかったのか…」
森崎 「すべて初めてですもんね」
正太郎さんは元海上自衛隊員。 「自然に囲まれた環境で農業がやりたい」 という思いから4年前、 むかわ町での農業体験に母親と参加。
その後、2年間の研修を経て 念願の新規就農を実現しました。
森崎 「息子さんが自衛隊辞めて 農家になるんだって 聞かされた時、どう思ったんですか?」
母・京子さん 「自然の中で何かをやりたい! と言うのがあったから、 そんなにビックリしなかったですね。 男の仕事としていいなと思いました」
森崎 「そんな正太郎さんを見て 奥様はどう思われたんですか?」
妻・望さん 「本当に農業に対して気持ちが すごいアツイ男だったんですよね。 『ついて行きます』って感じしか なかったですね」
河野 「前の仕事だったら一緒にいることが できないですよね?今は居られる!」
母・京子さん 「うれしいですね。 私は本当にすごく幸せだなって感じます。 息子の頑張っている姿が見れて! 親ってそうじゃないかな?って思います」
河野「どんな農家さんになりたいですか?」
宮川さん 「やっぱり作ることを楽しく思えるように 自分の技術をもっと磨いていきたいのと やはり僕は新規で来ているので 『農業やったことない人でも農業出来る』 というところを何か感じてもらって 仲間が増えていければいいと思います」
母・京子さん 「違いますね男の人は! 結婚したら変わりますね~ みなさんも結婚してください!」
河野さん 「でへへへ。結婚してます。 すみません結婚してる感、 全然出てなくて!」
森崎「すみまっせ~~~ん!!」
とても素敵な宮川さんご家族でした。
佐々木 「それではむかわ町産の食材を使った 絶品料理を頂きましょう。 JAむかわ女性部の佐藤さん、須藤さん、 古根川さんです」
河野 「むかわ町のキャッツアイと呼ばれた お三方ですか?」
須藤さん「もちろんでございます…」
堂々たる返しにみんな大爆笑!
JAむかわ女性部の皆さんに作って頂いた お手軽料理! 1品目は完熟していない青いトマトで作った 『青トマトのマリネ』。
ソウイチロウ君、一口食べて… 「う~~ん♪」
森崎 「ソウイチロウ貫録出たな~」
そして2品目はコンソメスープに、 カボチャ・ジャガイモ・ほうれん草の団子を 添えた『3色団子のスープ』。
食が進むソウイチロウ。再び… 「う~~ん♪」
河野 「おじさんか?何歳やねん?」
さて大人チームも。 森崎 「モッチモチプルンプルン! 食べやすい」
河野「美味しい!」
最後は地元のパン工房 「夢風船(ゆめふうせん)」で作る、 完熟トマトを生地に練り込んだ 『トマトパン』です。
河野 「これはトマトの甘みがふんだんに 感じられるパンですね!」
佐々木 「中にトマトソースが入っていて イタリアンな味になっていますね」
※詳しい作り方はレシピコーナーを ご覧くださいね!
とここでリーダーが…
森崎 「オレ思い出したんだけど… 女性部のみなさんの前で 講演会をしたことがあるんです。 その時に随分盛り上がっている場所があって 『そちらどちらのJAの女性部ですか?』 って聞いたら…むかわでしたね! えらい盛り上がってました」
むかわのキャッツアイお三方 手を上げて 「(その場に)いきましたよ~」
森崎 「そうでしたそうでした! みなさんでした~」
河野「話は聞いてたんですか?」
佐藤さん 「話は聞きに行きました。札幌までね~」 河野 「どうでした? 札幌まで行った甲斐ありました?」
お三方「ありましたね~」
河野「今でも心に残ってる言葉あります?」 佐藤さん 「…ちょっとないですね!」
さすがパワフルなJAむかわ女性部。 あぐり一行でもかないません…
さて夢の新規就農を目指し邁進する 関さん、阿部さん。 そしてアツい想いを語って下さった 新人生産者の宮川さん。 みなさんの今後が楽しみ… 手厚いむかわのサポートで ステキな生産者さんになって下さいね。